瀬戸内オリーブ基金

豊島事件語り継ぎ

Posted on 2021 年 3 月 12 日 in オリーブ基金の活動

     

豊島事件とは

       

      

     

瀬戸内海に浮かぶ離島・豊島で日本最大級の有害産業廃棄物の不法投棄事件が起こりました。

国立公園の一部で、その名のとおり豊かな自然に恵まれていた豊島。

地元業者によって海岸沿いの砂や土が採取・売却され、その跡地に産業廃棄物が持ち込まれました。

フェリーで大量の廃棄物が搬入、野焼きされ、「ごみの島」とまで呼ばれました。

住民たちの穏やかな暮らしは失われ、美しい砂浜は無残な姿になりました。

     

      

島の住民たちは、美しいふるさとを取り戻そうと立ち上がりました。
誤った対応をした行政に責任を認めさせ、廃棄物の撤去を求める公害調停を申請。

当初、小さな島の住民たちの声に耳を傾ける人は多くありませんでした。

それでも香川県庁前での 150 日間にわたる抗議の立ちっ放しなど、住民たちの地道な運動は、やがて世論を動かしていきました。

住民の思いに賛同した多くの市民も運動に加わり、困難な闘いの末、2000年6月、ついに公害調停が成立。

公費による廃棄物の処理が実現しました。

不法投棄が始まってから実に20年以上が経過していました。

   

    

豊島事件語り継ぎ

    


住民たちが困難に屈せず闘い続けたのは、自分たちの世代で汚してしまったふるさと・豊島を、

そのまま次の世代に引き継ぐことは祖先や子孫に申し訳が立たないと思ったからです。

瀬戸内オリーブ基金は、その思いを受け継ぐ活動に取り組んでいます。

   

    

     

豊島事件を風化させないために。

豊島事件をきっかけに様々なリサイクル法が制定され、日本は循環型社会に転換しようとしています。

しかし、時間の経過とともに事件の記憶は風化し、その意義と教訓は忘れ去られつつあります。

豊島事件の意義と教訓を次世代に引継ぐために、

アーカイブの作成、資料館の改修、語り部の育成などに取り組んでいます。

    

     

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