瀬戸内オリーブ基金





豊島・ゆたかなふるさとプロジェクト

摘発当時(1990年)、日本最大規模といわれた有害産業廃棄物の不法投棄事件「豊島事件」。公害調停が成立してから10年以上が経つ現在でも廃棄物の撤去作業は終わっておらず、少なくとも2017年まではかかる予定です。
しかし撤去が完了すれば良い、ということではありません。例えば汚染された水の浄化には、さらに10年以上を要します。また長年にわたる不法投棄は、美しい自然を破壊しただけではなく、地域社会と自然のつながり、人と人のつながりも希薄化させてしまいました。本当に大切なのは、廃棄物を撤去した後、どのように島を再生していくか、ということ。「豊島・ゆたかなふるさとプロジェクト」は、人と自然が共生する持続可能な社会、自然はもちろん、人と人のつながりも豊かなふるさとを再生し、未来に引き継いでいくためのプロジェクトです。瀬戸内オリーブ基金と廃棄物対策豊島住民会議が2014年に立ち上げ、不法投棄現場の周辺地域から回復活動に着手。地元の方や企業、専門家とも連携しながら、事件の教訓を伝える環境教育、痩せてしまった土地の再生など、さまざまな取り組みを行っています。
市民の力で世論を動かし、産業廃棄物の完全撤去・無害化への道筋を付けた活動は前例がなく、海外からも視察団が訪れています。

プロジェクトの最終的な到達点

・国立公園にふさわしい姿へ原状回復
・豊島事件のようなことが二度と繰り返されないよう、環境教育の場として活用
・適切な方法で管理し、持続可能な形で次世代に引き継ぐ







活動の様子をYouTubeでも公開しています



豊島事件の概要


瀬戸内海国立公園の一部に指定されており、その名が表す通り、豊かな自然を有していた豊島。ところが、土地を所有する業者によって砂や土が採取・売却され、その跡地に、1978年頃から有害産業廃棄物が不法投棄されたことで、島の環境は一変してしまいました。毎日のように大量の廃棄物がフェリーで運び込まれ、野焼きが行われ、「ごみの島」に変わってしまった豊島。住民たちの穏やかな暮らしと、国民の共有財産である国立公園が破壊されてしまったのです。
美しいふるさとを取り戻すために立ち上がったのは、島の住民たちでした。香川県に責任を認めさせ、原状回復を求める公害調停を申請。当初、小さな島の住民たちの声に、耳を傾ける人は少なかったのですが、香川県庁前での150日間にわたる抗議の立ちっ放しなど、住民たちの地道な活動は、やがて世論を動かしていきました。
住民の思いに賛同した島外の人々も活動に加わり、過酷な闘いを続けた末、不法投棄が始まってから20年以上が経過した2000年6月、ついに公害調停が成立。公費による廃棄物の処理が開始されました。
島の人々が困難に屈せず闘い続けたのは、子どもたちのためにも豊かなふるさとを取り戻さなければならない、二度とこのような事件の起こらない持続可能な社会を築きたい、そういう信念があったからです。瀬戸内オリーブ基金は、その思いを受け継ぎ実現していくための活動に取り組んでいきます。


→豊島事件の経緯詳細は「豊島・島の学校 豊かな島と海を次の世代へ」をご覧ください

→関連情報や資料をこちらにも掲載しています