瀬戸内オリーブ基金

瀬戸内オリーブ基金とは

瀬戸内オリーブ基金は、当時日本最大規模といわれた有害産業廃棄物の不法投棄事件「豊島事件」をきっかけに、建築家の安藤忠雄氏と、豊島事件弁護団長の中坊公平氏が呼びかけ人となって設立された NPO 法人です。2000年、公害調停成立を機に設立されて以来、瀬戸内海エリアの美しい自然環境を守り、再生することを目的に活動をしています。瀬戸内海エリアの環境保全活動に対して資金の助成を行うほか、自らの取組みとして「ゆたかなふるさとプロジェクト」、「ゆたかな海プロジェクト」、オリーブ栽培などを行っています。

ミッション

次の世代へ美しいふるさとを引き継ぐ

  1. 瀬戸内海エリアの環境保全と再生に取り組む
  2. 環境をまもる意識を育み、自然とともに生きてきた
    人類の原点を見直す
  3. 豊島事件の意義と教訓を伝える

ビジョン

人と自然が共存する持続可能な社会を目指す

大量生産・大量消費・大量廃棄社会を循環型社会に転換する

豊島事件

瀬戸内海に浮かぶ離島・豊島で日本最大級の有害産業廃棄物の不法投棄事件が起こりました。国立公園の一部で、その名のとおり豊かな自然に恵まれていた豊島。地元業者によって海岸沿いの砂や土が採取・売却され、その跡地に産業廃棄物が持ち込まれました。フェリーで大量の廃棄物が搬入、野焼きされ、「ごみの島」とまで呼ばれました。住民たちの穏やかな暮らしは失われ、美しい砂浜は無残な姿になりました。

島の住民たちは、美しいふるさとを取り戻そうと立ち上がりました。誤った対応をした行政に責任を認めさせ、廃棄物の撤去を求める公害調停を申請。当初、小さな島の住民たちの声に耳を傾ける人は多くありませんでした。それでも香川県庁前での 150 日間にわたる抗議の立ちっ放しなど、住民たちの地道な運動は、やがて世論を動かしていきました。住民の思いに賛同した多くの市民も運動に加わり、困難な闘いの末、2000年6月、ついに公害調停が成立。公費による廃棄物の処理が実現しました。不法投棄が始まってから実に20年以上が経過していました。

住民たちが困難に屈せず闘い続けたのは、自分たちの世代で汚してしまったふるさと・豊島を、そのまま次の世代に引き継ぐことは祖先や子孫に申し訳が立たないと思ったからです。瀬戸内オリーブ基金は、その思いを受け継ぐ活動に取り組んでいます。

安藤忠雄からのメッセージ

「美しいふるさとを子どもたちへ」

20 世紀の産業発展により、人々の生活は経済面では豊かになりましたが、環境破壊によりいくつもの負の遺産が生まれました。瀬戸内海でも、かつての美しい風景は各所で破壊されました。
失われた緑豊かな環境を取り戻すことで、この瀬戸内を、人と自然とが共存する美しいふるさととして次代を生きる子どもたちになんとか残していきたい。そんな思いを込めて、豊島の廃産問題で闘ってこられた中坊公平さんとともに、「瀬戸内オリーブ基金」を立ち上げたのは、2000 年のことです。以来、地道に緑化活動を続けて来ました。瀬戸内海は広く世界の海につながっています。海を美しくすることが森を育て、美しい森が美しい海をつくります。私達が前世紀で失ったもの。それをしっかり認識し、取り戻す努力を続けていくためにも、今後ますます活動に力を注いで行きたいと考えています。

活動内容・実績

豊かなふるさとを取り戻そう。

ゆたかなふるさとプロジェクト

豊島は瀬戸内海国立公園の一部なのに、
産業廃棄物の不法投棄で豊かな自然は破壊されてしまいました。
住民と市民の闘いは、廃棄物を撤去することに止まらず、
不法投棄の背後にある経済優先の大量廃棄社会から脱却し、
持続可能な社会を実現するための活動につながっています。
「ゆたかなふるさとプロジェクト」は、
国立公園の中で破壊された自然を、人々の手によって回復し、
なぜこのような環境破壊が行われたのか、
私たちはどのような社会を目指せばよいのかを
考える場とする活動です。

植生が破壊されている面積24,380,452 平方メートル
そのうち、整備が始まっている面積3,980 平方メートル

豊かな海を取り戻そう。

ゆたかな海プロジェクト

ごみ問題は、豊島事件と同様に、もっぱら利便性と経済性を
追求する社会システムが大きな要因となっています。
海ごみは、世界中の海域で環境に深刻な影響を与えています。
瀬戸内オリーブ基金は、2009年から10年以上にわたり、
環境学習会の開催やボランティアとの海岸清掃などを
続けており、海ごみの回収と発生抑制に取り組んでいます。

  • 参加ボランティア1,500名以上

みんなの寄付を瀬戸内海に。

助成プログラム

瀬戸内オリーブ基金の助成制度は、
みなさまからのご寄付を環境保護団体に届け、その活動を支援します。
海上交易で文化や産業を育み、一万年にわたって島々や沿岸の住民に
海の幸をもたらしてきた瀬戸内海は、
世界有数の閉鎖性海域であり、多島美を誇る日本で最初の国立公園です。
瀬戸内海エリアは、日本を代表する美しいふるさとの一つであり、
この豊かな環境を日本のふるさととして次世代に引き継ぐことを目的に、
「川と海」、「島と森」、「環境を守る意識醸成」、「スタートアップ」の
4つの分野で助成プログラムを展開しています。

助成申し込み

  • 助成総額約2億9千万円
  • 助成実績439件
  • 植樹本数約16万本

次の世代まで風化させないために。

豊島事件語り継ぎ

豊島事件を風化させないために。
豊島事件をきっかけに様々なリサイクル法が制定され、
日本は循環型社会に転換しようとしています。
しかし、時間の経過とともに事件の記憶は風化し、
その意義と教訓は忘れ去られつつあります。
豊島事件の意義と教訓を次世代に引継ぐために、
アーカイブの作成、資料館の改修、語り部の育成などに取り組んでいます。

みんなの想いをつなぐ。

オリーブ栽培

公害調停が成立した 2000年、住民たちは、
二度とこのような事件を繰り返してはならないという決意を込めて、
全国から寄せられた寄付金でオリーブを植樹しました。
豊島のオリーブは、
美しいふるさとを守るために
闘った人々の熱い思いと希望の象徴です。
瀬戸内オリーブ基金は、
その思いをつないでいくために、
住民とともにオリーブの栽培を行っています。
植樹された幼木は今では実を収穫できるまでに育ち、
2014年から2019年の間に累計約19トンの実を収穫することができました。
オリーブの実はすべて手摘みで、収穫後24時間以内に搾油しています。
採れたオイルを原料として食用オリーブオイル、
美容オリーブオイル、オリーブ石鹸を製造販売し、
その売上は瀬戸内エリアの自然を守る活動に使われます。
収穫が行われる11月には、
毎年、協賛企業様と協働してオリーブの収穫祭も実施しています。

オリーブ商品の購入

累計収穫量約19トン
サポーター・法人パートナーを
募集しています

ご寄付・ご協力

瀬戸内オリーブ基金では、活動の輪を広げていくために、基金の活動趣旨に賛同し継続的に支援いただける、法人パートナー、サポーターを募集しています。ご登録いただいたみなさまには、定期的に活動内容を報告いたします。みなさまからのご寄付は、瀬戸内エリアでの環境保全活動への助成や、環境教育活動、「豊島・ゆたかなふるさとプロジェクト」などの直轄事業の資金として、使わせていただきます。ご協力、ありがとうございます。